COVID-19(新型コロナウィルス)に対応した建築

弊社の主要なクライアントには、ホテル業や飲食・接客業を営むクライアントが多数あり、
今回の新型コロナウィルスの緊急事態宣言後の自粛により多大な影響を受けています。

感染リスク軽減の対応としては、まずオペレーションによる対策が第一であり
手軽でもあるとは思いますが、今後建築的にも対策が取られなければ成らなくなる事が予想されます。

それにともなって「COVID-19(新型コロナウィルス)に対応した建築」ガイドラインの必要性が高まりますが、今はその様なガイドラインが無く、作られるまで相当の期間が必要であると思われる事から今回は、独自での考察を行っていきたいと思います。

第一回目として「3密に対応した建築計画」です。

まずは「3密とは」に関するおさらい。
1.密閉空間:換気の悪い密閉空間である
2.密集場所:多くの人が密集している
3.密接場面:互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる

1.密閉空間を避ける事と言う点が建築的な要素として一番現実的に検討できる内容です。

何よりも重要なのは「換気量」ですが、建築的には「換気回数」として評価する方が一般的です。
WHOによると換気回数が毎時2回未満の場合に感染リスクが高まるとされており、日本における感染症が起った学校における事例でも換気回数が毎時1.6~1.8回であったことが報告されている事から換気回数は、毎時2回以上が最低条件になると思われます。

そこでまず第一に施設全体、ホテルであれば各客室の換気回数のチェックをする必要が有ります。
また換気方法や窓の種類、空気の流れるルートの確認を行います。

・換気方法としては、換気ルートに逆流要素がない事、機器の容量が十分でフィルター等メンテナンスが行き届いている事。
・窓の種類としてはキチンと大きく開き換気量を確保できる事。
・空間の対角の位置に給気と排気が計画されている事。
・可能であれば2か所以上に窓が設置されている事。窓が一カ所にか設けられない場合は入口の扉に給気口を設ける等の対策を行う事。

2.密集に関する考察。

密集に関しては一人当たりの面積や気積に関しての考察を行います。
簡単に書きますが、コロナウィルスではなく結核による感染の報告では、日本で20㎥/人以下の場合に感染リスクが高まったという研究があるようです。

そのことから20㎥/人以上とした場合に密集ではないという一つの基準になるかと思います。
ただ、これを基準とした場合には100㎡の店舗に天井高さ2.3mの天井高さの店舗には11人しか入れないという事に成り現実的に接客業の空間としては効率が悪すぎるという場合も多いのではないかと思われます。
ただ密集対策の基準として一人当たりの気積が最低20㎥以上とすることが指標となるかと思います。
今後、国や研究機関の安全基準としては20㎥/人の1.5倍である30㎥/人という基準が採用される可能性もありますので、ゆとりを持って30㎥/人を基準とする方が将来的には安心できます。

3.密接に関する考察。

密接に関する考察に関しては、強いて言えば「客席のレイアウト」や「レジ、受付におけるパーテーション」等
接客時の物理的な隔離による対応策と成るかと思います。
また接客や物品や支払いのシステム化による接触機会の減少化を行う必要が有るかと思います。

ホテルにおいてはWeb予約、セルフチェックイン機によるチェックインや支払いによって人経費の削減も同時に行える様にしていく事が想定されるかもしれません。

また接触を無くすという点を重視した場合。
自動ドアに成っていない箇所の非接触型自動ドア化、トイレ、手洗い、各種水栓の非接触化を進める事が重要かと思われます。
IOT化によるスイッチの無い住宅や施設に関しても効果的かと思います。

上記を簡略的にまとめると

Ⅰ.換気回数は毎時2回以上、できれば毎時3回以上
Ⅱ.気積は20㎥/人以上、できれば30㎥/人以上
Ⅲ.非接触システムの徹底

これらが今できる基本的な3密の対応かと思われます。

注意点としては、上記は自主的に考える項目や数値なので、今後国の基準が決まっていくのであれば、これら数値を参考にせず、国の基準を採用してください。
その基準が「建築基準法」になるのか「ビル管理法」になるのか「保健衛生法」になるのか「国土交通省」が主体となるのか「厚生労働省」が主体となるのかも分かりませんが法整備化には、相当の期間がかかると思います。

早期に統一的な基準が決まる事を願っています。